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香りの起源はいつ頃ですか? |
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香りの起源は、数万年も続いた第3氷河期が終わり、寒さがゆるんだ15万年前といわれています。一般的には、紀元前3,000〜4,000年に初めて使用されたと思われます。 |
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古代の人々は、なぜ香りに関心を持つようになったのでしょうか? |
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古代の人々は、まず、植物の花や果実、動物の死臭や排泄物から、匂いというものに関心を寄せました。すべての自然現象は、神のわざであると考えていた彼らは、日々の食べ物の確保を神に感謝し、外敵から身を守り、病気を予防・治癒してくれるよう、神に祈りました。この祭りや儀式の時に、香りのある木や樹脂を焚いたことから、香りに対する関心が非常に高まったのです。 |
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古代人の好んだ香料はどんなものだったのですか? |
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祭りや儀式の時に焚く木や樹脂は、初めのうちは、ただ匂いがすれば良かったのですが、人類の発達と共に、焚いたときにすばらしい香りを漂わせるものを求めるようになりました。最初に香料として取りあげられたのは、もっとも神聖で貴重であった乳香、没薬で、これらはいずれもカンラン科の樹木の幹から流れ出る樹液です。 |
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古代の香料にはどんなものがあり、今とどう違うのですか? |
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古代の香料の代表的なものには、乳香、没薬があります。
特に乳香は、天や神を祭るのに最上、不可欠で、神のもの、ひいては神そのものであるとさえ考えられるようになりました。
一方、没薬は、刺激的でピリッとした香味から力強さが感じられ、その上、防腐効果があるので、古くから、香料と共に薬や防腐剤としても使われていました。
現在は、これらの香料と共に、中世に代表される香辛料が数多く使われています。また、花香のような天然の香料に加えて、人工香料など数千種類にも及ぶ香料が使用されています。 |
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昔の人は、香料を実用的にはどんな風に使っていたのですか? |
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古代エジプトの王や王妃は、薫香や化粧料として、必要以上に使っていたようです。また、植物性香料を大浴場に浮かして、香りを身体に移り香させたり、病気の治療にも使われていました。ともかく、現在のボディーコロンの起源であったといえそうです。 |
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クレオパトラは香料を大量に使った人して有名ですが、どのくらい使ったのでしょうか? |
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彼女はバラの香りを愛し、毎日のようにバラの香水風呂にはいり、入浴後はジャコウ、シベット、アンバーなどの動物性香料を全身に、身体のすみずみまでたっぷりと塗り込めたといわれています。一回の費用が古代ローマの銀貨で400デナリということですから、今の邦貨で20万円もしたそうです。 |
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西洋と東洋では、どちらが香料の歴史が古いのですか? |
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香料の産地は現在でも中東諸国が多く、香料源としては東洋にふんだんにありましたが、文献などによると、香料として数多く使われたのは西洋でした。
中世時代には、スパイス戦争が起こり、東南アジア諸国が戦場になったほどです。
西洋の歴史では、15万年前に今のヨーロッパにネアンデルタール人が出現し、第4氷河期(5〜7万年前)まで生存していましたが、彼らは高い知識を持ち、香木を焚いて死者を埋葬したり、祭りのような宗教的な行事をしたことが、それをしのばせる数多くの遺跡から分かります。このように考えると、西洋の方が香りの歴史としては古いと思われます。 |
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日本で香料が用いらたのは、いつ頃からで、何のためですか? |
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日本の香りの歴史は、中国やオリエント諸国に比べると新しく、香りが最初に伝来したのは大和時代で、仏教儀式での使用から始まりました。
奈良時代には袋に入れて持ち歩いたり、衣装の中に入れて、自分の身体やまわりに燻らせたりしました。
また、中国から伝わった習俗である端午の節句の時に、除疫、長命を願って作る薬玉の中に、ジャコウ、沈香、丁子などを入れて匂い玉にするなど、個人の疫除け的な使い方とともに、徐々に匂いを楽しむ風潮もでてきました。 |
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